パーマの原理は、一剤の還元作用によって毛髪中のケラチンタンパク質のシスチンという結合を切断し、二剤の酸化作用によってウェーブをつけた(あるいは縮毛を伸ばした)状態で再結合させるという化学反応によるものです。
これは髪にとっては大変な大手術を受けるようなものです。
普通医師が手術を行う場合、患者をあらゆる角度から調べ、手術方法を考え万全の準備を整えてから取り掛かります。
手術中は血圧や脈拍、呼吸の変化などあらゆることに配慮して慎重に進め、手術後も早く回復できるよう薬や栄養を与えケアします。
このようなことはパーマやカラーリングの施術にも同じようなことがいえ、美容技術者はいわば“髪のお医者さん”のようなものでなくてはならないと思います。
●パーマ剤の分類
・ウェーブパーマとストレートパーマ
・一浴式タイプと二浴式タイプ
一浴式はウェーブの固定を空気酸化にたよる特殊なパーマ剤です。
通常はウェーブをしっかり固定させるためと、髪のダメージを抑制するため二浴式を用います。
・コールドタイプと加温タイプ
コールドタイプは薬液塗布後に室温(30℃くらい)に放置するタイプ。
加温タイプは薬剤塗布後に加温(60℃以下)するタイプ。
※パーマ1剤は加温すると薬液反応が加速し事故につながりやすいので注意が必要です。
・チオグリコール酸タイプとシスティンタイプ(第一剤)
チオグリコール酸タイプは最もポピュラーなパーマ剤です。
システィンタイプは髪を構成する成分の一つのシスティンを還元剤に使用したパーマ剤です。
・臭素酸塩タイプと過酸化水素タイプ(第二剤)
臭素酸塩タイプは日本で最もポピュラーなパーマの酸化剤です。
過酸化水素タイプは欧米でポピュラーなパーマの酸化剤です。
(最近日本でも見直されつつあります。)
・医薬部外品タイプと化粧品タイプ
医薬部外品タイプは一般にパーマ剤と呼ばれるほとんどの製品。
化粧品タイプはカーリング剤でウェーブ形成力が弱い。
●パーマの簡単な理論
パーマ1剤は、毛髪ケラチンのシスチン結合を切断することによって、毛髪を軟化させ形を変えやすくする薬剤です。
シスチン結合を切断するための成分として、チオグリコール酸とシスティンが代表的な還元剤(水素を与えて、酸素を奪う反応を還元反応といいます。)です。
特にチオグリコール酸は最もポピュラーな還元剤ですが、チオグリコール酸は文字どうり酸ですが、その溶液(pH2くらい)は皮膚刺激が強いため、アルカリで中和してチオグリコール酸塩という中性の物質にして使用します。
さらにこの中性の溶液にアルカリ剤を配合してアルカリ性にしてパーマ1剤が出来上がります。
(還元反応はアルカリ性側で活発に行われるため)
このようにパーマ1剤をアルカリ性にするために配合するアルカリ分を遊離アルカリと呼びます。
遊離アルカリが強いほど、そのパーマ1剤の還元力は強くなります。
遊離アルカリの強さをきめるファクターはpHとアルカリ度(ALVアルカリバリュー)と使用するアルカリ剤の性質によって決まります。
ただ必要以上にアルカリが強いと毛髪ケラチンが溶けやすくなり、断毛したり、毛髪の膨潤が大きくリンクルヘア(菊花状毛)になったりします。
すなわち髪の損傷の原因になるということです。
ですからこの遊離アルカリは“必要悪”なのです。
●パーマ理論イメージ |