リンス・コンディショナー・トリートメントの3種類に用いられる成分には共通なものが多く、それぞれに明確な区別はありません。
元来リンスはシャンプー後のパサツキや乾燥を抑えるために開発され、その後一歩進んでツヤや保湿性を加味してリンスの効果を高めたものがコンディショナーであり、さらに一層効果を高めて髪のダメージの修復効果を求めたものがトリートメントといえるでしょう。
コンディショニング効果は、リンス⇒コンディショナー⇒トリートメントの順で効果が高いといえるでしょう。
ヘアコンディショナーには洗い流すタイプのリンス的なものと、洗い流さないタイプがありますが、本来の髪の傷みを修復できる製品は残念ながら大変少ないのが現状です。
ほとんどの製品がシリコーン系の成分で髪の表面を薄い膜でおおいかくし、保護するのが中心で修復にいたっているものはほとんどありません。
リンスやコンディショナーは、シャンプー後にマイナス電気を帯びた髪をリンスによって中和し、さらにプラスに帯電させる作用があり、髪を弱酸性に戻すはたらきがあります。
これらの製品は、シャンプー後の風合いやパサツキを抑える目的で使用されます。
@髪に柔らかさやしなやかさ、ツヤなどを与える。
A静電気を防止し、髪表面を保護する。
Bクシ通りを良くし、髪をまとまりやすくする。
さらにトリートメントにはこれらに加えて
C髪表面に保護膜を形成し損傷を防ぐ。
D髪内部に浸透し、保水能力や構造の修復をはかる。
などの効果を持つ製品といえるのですが、現状は被膜効果が中心で修復にいたる製品はとても少ないです。
●コンディショニング効果の成分
・カチオン性界面活性剤
:リンスの主成分として、静電気の防止に優れ、毛髪のケラチンタンパク質に吸着して髪を柔らかくし、クシ通りを良くする効果がある。
髪は損傷を受けるとマイナス電荷が増えプラス電荷を持つカチオン性界面活性剤の吸着量が多くなる。
※カチオン性界面活性剤はたくさん種類があり、成分的には肌(皮膚)にも吸着しやすい性質を持っていますので使用される場合、肌にはつかないよう注意が必要です。(カチオン変性の危険性があります。)
・カチオンポリマー
:カチオン化セルロース・カチオン化合成ポリマー・カチオン化PPT・カチオン化シリコーン・カチオン化多糖類などのカチオン化を施した高分子(カチオンポリマー)があります。
これらはカチオン性界面活性剤と同様に髪にイオン吸着し髪表面に被膜を作り保護します。
カチオン性界面活性剤よりも滞留性が大きいので効果が持続します。
・加水分解コラーゲン(PPT)
:アミノ酸などで髪に近い構造をもつので、親和性が高くダメージによって溶出した毛髪たんぱく質を補う働きをします。
・油性成分
:ラノリン・脂肪酸・高級アルコール・コステル油・シリコン油・スクワラン・ワックスなど過度に脱脂された皮脂を補い、ツヤと滑らかさを与え、被膜が髪の水分の蒸発を抑えシットリした感触をあたえます。
油性成分中でも一般的に天然油脂には泡水性があり、髪をシットリさせるのに適しています。
代表的な成分としてヒマシ油・シアバター・メドウフォーム油などの植物油系のものと、ラノリンのような動物由来のものがあります。
またシリコン油・エステル油などはベタつかず軽いサラッとした感触になります。
代表的な成分はジメチコン・フェニルメチコン・高重合シリコンなどのシリコン系、ミリスチン酸イソプロピル・イソオクタン酸セチルなどのエステル系のものがあります。
・保湿剤
:グリセリン・グリコール・ヒアルロン酸・キトサン・コラーゲン・ムコ多糖類など、髪に水分を補給し、みずみずしいツヤとしなやかさを与えます。
特にヒアルロン酸・キトサン・コラーゲン・ムコ多糖類などの天然高分子は優れた保湿性能力があります。
髪が乾燥しますと髪の電気的抵抗が高まり、静電気が発生しヘアフライを起こします。
水分が多ければ電気抵抗は低くなり静電気は発生しません。
保湿剤は髪にツヤとしなやかさを与えるとともに、ヘアフライを起こしにくくして、ダメージを防止する大変重要な成分です。
●リンス・トリートメントの構成成分
◎主界面活性剤:きしみをなくす。 静電気防止。
・カチオン性界面活性剤
塩化アルキルトリメチルアンモニウム
塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(アルキル=セチル・ステアリル・ココイル)
◎補助界面活性剤:静電気防止。
・両性界面活性剤
イミダゾリニウムベタイン
酢酸ベタイン
アミドベタイン
◎乳化剤:乳化安定。
・ノニオン性界面活性剤
ポリオキシエチレンアルキルエーテル
脂肪酸ポリエチレングリコール
脂肪酸グリセリド
◎コンディショニング剤:きしみをなくす。 髪の保護。
・カチオン樹脂
タンパク質誘導体
シリコン誘導体
アミノ酸
多糖類
◎油剤:油分補給。 増粘作用。
天然油脂
エステル油
高級アルコール
ワックス
◎湿潤剤:湿潤効果。
グリセリン
プロピレングリコール
1,3-ブチグレングリコール
◎抗フケ、殺菌剤:フケを抑える。 殺菌作用。
ジンクピリチオン
ヒノキチオール
塩化ベンザルコニウム
◎防腐剤:製品の安定化(防腐効果)。
パラベン
安息香酸
デヒドロ酢酸Na
◎金属封鎖剤:硬水対策。 製品の安定化。
エデト酸Na
◎pH調整剤:pHの安定。
クエン酸
クエン酸Na
リン酸
リン酸Na
AHA(アルファヒドロキシ酸)
◎その他:製品の特徴付け。
酸化防止剤
紫外線吸収剤
トニック剤
着色剤
植物エキス
ビタミン
香料
●ヘアトリートメントの選び方
ヘアトリートメントは髪のダメージの程度によって使い分けなければなりません。
それと同時に仕上がり感を優先することも必要でしょう。
仕上がり感はシットリタイプとサラットタイプに大別できます。
過度のパーマやヘアカラーで乾燥した髪にはシットリとしてリッチ感のあるタイプが好適です。
このタイプは泡水性のある油分の補給で髪をシットリ落ち着かせることができます。
ブラッシングなどでキューティクルが剥がれ落ちた場合は、シリコン系のサラッとした感触が好まれます。
ツヤについては、みずみずしいツヤは多糖類・天然高分子・PPTなどの保湿成分によって得られます。
しっとり仕上がるタイプの製品と共通性があります。
一方輝くような油性のツヤは、シリコン油・天然ワックス・パラフィンなどによって得られます。
こちらはサラッと仕上がるタイプと共通性があるでしょう。
この他に、機能別の製品として次のようなものがあります。
・ボリュームアップタイプ
:髪が細くなった方や猫毛の方に。
PPTやカチオン樹脂をコーティング剤として、ハリやコシを持たせるよう設計されています。
・ボリュームダウンタイプ
:硬くまとまりにくい髪を親水性にしたり、保湿剤によって柔軟性を高めるように設計されています。
・PPTトリートメント
:髪への親水性の高いポリペプタイドを高濃度に配合して、髪のダメージ部分をPPTで修復させる修復効果の高い製品で髪を自然な状態に近づけます。
・プレトリートメント
:パーマやカラーの前処理に用いる製品です。
髪のダメージ部分に塗布し、パーマやカラーの過度な作用を防ぎます。
PPTトリートメントと共通する面があります。
・オイルトリートメント
:髪のダメージ部分に油性成分を補う目的で用いられます。
加温によって浸透が良くなります。
・スキャルプトリートメント
:頭皮のケアのために用いる製品ですので、普通のトリートメントとは考え方が異なります。
髪のコンディショニング剤はあまり含まれず、頭皮を清潔に保つ成分や育毛剤や消炎剤などが配合されています。 |